問題点も心技体にわたって考える





 より良い選手になるためには、漠然と良いところばかり見ていても進歩しないのは事実です。悪い点についてもしっかり把握する必要があります。




 ただ前章でも述べましたが、ほとんどの場合、まず現状を把握し合おうというと「ミーティングという名の反省会」から始まります。反省会はスポーツの世界でよく行われているものですが、実際にはあまり役に立っていない場合が少なくありません。典型的なのは試合が終わった後に行われる反省会です。スタッフだけならまだしもOBなどまで多くの諸先輩のありがたいお言葉(?)をいただくわけですが、ほとんどの選手は「はい」と下を向きながら返事をしています。この「はい」は下手をすると「早くやめてくれ」のメッセージだったりします。うまくいかなかった試合直後に悪いところをいくら言っても、あまり頭に入らないことが実は多いのです。悪かったことは冷静になったときに後からゆっくり分析したほうが効果があるのです。




 では、実際にどのようにするのかといえば、まず、自分の問題点、足りないところを可能な限り書き出すのです。つまり自分の現在の×(悪い)部分です。このとき大切なことは心技体にわたって均等に考えることです。勝つためにはこの三つが必要なのですから、問題点を考える時点からこの三つに意識を配る習慣をつける必要があります。また、なるべく客観的に自分の問題点を考え、列挙する必要があります。見て見ぬふりでは決して上達しません。花道のようにビデオを見て己の真の姿を知るというのもその一つです(第22巻130~131㌻)。