夢 追いかけて

Run after a dream

メンバーがそろいません。
インフルエンザ、風邪・・・・・・。


少ないメンバーで頑張っています。



練習を見に行けてません。
でも、工夫しながら真面目にやってくれてます。


きっと強くなります。
ぜったい上手くなります。



さらに頑張ってほしいです。

亀岡遠征ご苦労様でした。
昨日に比べ今日は動きが良かったです。


午後の2ゲームは5人しかいない状態でしたが、最後までよく戦いました。


当然課題は一杯あります。
次の取組に期待したいです。





ところで、今日の雪にはまいりました。
西名阪は止まってるし、京奈は止まってるし、亀岡まで2時間半もかかりました。
予定より30分オーバーでした。






テスト明け最初のゲーム。
7人のメンバー。
故障者がおり、体調を壊している人がおり、チームはベストの状態ではないが、
それでも戦わなくてはならない。


こんなときこそ大事なことは、元気を出すことだ。
大きな声を出すことだ。
みんなで盛り上げることだ。


勝ち負けはその後についてくるんだ。



いまできること、しなければいけないことに全力であってほしい。







問題を解決したらどんな結果が出るか?




 ただ、問題を列挙するだけなら反省会と変わりありません。そこで、次にすべきことは、この問題点をもし解決したらどういう結果がやってくるのか? あなたの目標にどのように近づけるのか? を考えるようにすることです。



  私が指導しているあるラクロスの女子選手で、体力、特に持久力のないことを問題にして、いつも悩んでいる全日本選手がいました。体力テストをやるといつもチームの中では低い値でコーチからも指摘され、とても悩んでいて、何とかしたいという相談でした。そこで彼女と一緒に、その問題点、つまり持久力がなく走れないことを、もし解決したらあなたのプレーはいかに向上して素晴らしい選手になるのかを一緒に考えてみたのです。



  しかし、いくら考えてもどのように良くなるのか、その結果がまったく得られませんでした。よーく話を聞いてみると、彼女はゴールキーパーだったのです。このように自分では大きい問題だと悩んでいることでも、実は大したことがないものもあるかもしれないのです。つまり、どういう結果になるのかが分からないことに悩んでいるくらいなら、その問題は頭の中から消去してしまったほうがスポーツ選手として成功するにはよいのです。




  さあ、あなたが書き出した×(問題)の横に○に結び付けるその問題の解決方法です。解決方法の分からないことには、悩むだけで、一生解決しないでしょう。どうやって解決につながるのか、その方法を考えることが最も大切なのです。問題の解決方法に、体力をつけるとか、シュート率を良くすると答える選手がよくいますが、これは目標あるいは目指す良い結果であって、方法ではありません。あなたならどうやって今よりも体力をつけるのか、どうやってシュート率をよくするのか、その具体的方法を考えることが何より大切なのです。 


  問題の解決方法を考えるとき、その問題を解決してくれる適切な人に聞くというのも一つの重要な方法です。成功する人はこの能力に長けています。この問題を解決するには誰にアドバイスをもらうのが最も適切なのかをうまく解決できる人が成功者の特徴です。×と○の間を方法で埋めてみて、もし方法が分からず埋まらなければ、その問題点(×)も消してしまいましょう。



  こうして三要素(問題点のピックアップ、克服したときにどれだけ素晴らしいのかを考える、×を○に結びつける解決方法)そろった心技体の修正から取り組むべきでしょう。反省会をしてできないことをいくら背負い込んでみてもまったく進歩しません。この三要素を考え、行動に移すことを“反省”ではなく“確認”と私は呼んでいます。




  インターハイ出場を決めた花道の問題点はシュートフォームができあがっていないこと、シュートエリアが極端に狭いことでした。そこで花道はビデオでフォームを確認し、愕然とします。しかし、安西先生のすごいところは、この問題を解決したらどのような結果がやってくるのかを花道に理解させ、ワクワクさせたところです。そして、その問題を解決するための方法を自分の努力次第でできることとして、具体的にシューティング2万本を提示するのです(第22巻134~136㌻)。



  この安西先生の提示は、三要素をすべて見事に指示しています。選手として自分でこのことができる心の習慣をつけることが大切です。「なんでできないんだ!」と選手を怒鳴っているコーチの方には、コーチの仕事は実はこの三要素をすべての選手に合ったように与え、上達させていくことだということを知ってほしいと思います。
















 『光になろう』





 陽光(ひかり)の中に 

 まぶしい笑顔

 今 

 済美(ここ)にいるから出会えたね

 共に学ぼう 

 これからは

 「やれば出来る」は

 魔法の合いことば

 腕をとり 
 
 肩を組み

 信じてみようよ  

 すばらしい明日が 

 展(あ)けるから


                                     「済美高校・学園応援バージョン」より








 『やれば出来るは、魔法の合いことば』

  これは、2004年春の全国選抜高校野球大会で優勝した済美高校の応援歌の中にある一節です。先日のPTA教育講演会を聞いていて思い出したので紹介しました。



 済美高校(愛媛県)はこの年創部3年目で初出場・初優勝を果たしたのです。全国優勝は素晴らしいことです。簡単にできることではありません。でも、優勝をめざして頑張ることはどのチームでも出来るのです。済美高校は応援歌の中にある『やれば出来るは魔法の合いことば』を胸に日々努力をしたのだと思います。




  先日のPTA教育講演会に来ていただいた株式会社「ゆめかな」の石川尚子さんのお話の中心も『やればできる』がテーマでした。


  石川さんは、中学時代に持っていた『夢』がいま全部かなっていると言われます。「学校の先生」「小説家」「薬剤師」「弁護士」「空港の仕事」「通訳」など、その時にはあきらめたり挫折した『夢』ですが、いま全国で年間150回を超える講演をこなしている中で全ての夢が叶っているのだそうです。そして、私たちは誰でも『夢』を叶える力をもって生まれてきているとも言われます。ただ、『夢』を叶えられている人とそうでない人の違いは、自分の持っている『夢』を叶える力を使うためのスイッチをONにしているかしていないかだと言われます。ONにさえすれば『夢』は叶うのです。



  では、ONにするための方法です。それは、自分が使っている言葉をいつもポジティブな言葉にすることだそうです。ポジティブな言葉は自分をどんどんプラスにしていくし、ネガティブな言葉は自分をどんどマイナスにしていくのです。


  なぜ言葉が自分の『夢』を叶えるポイントになるのかというと、人間の『脳』の働きが関係しているのです。
 『脳』には認識できないものがあるのだそうです。まず、「時間を認識できません」。いまのことなのか、未来のことなのか、過去のことなのか、脳は勘違いしてしまうのです。だから未来のことを心配してネガティブな言葉を言ってしまうと、脳は勘違いし、心配事が現実になってしまうのです。


  また、『脳』は「人称を認識できません」。脳はすべて自分のことだと思ってしまうのです。だから、人のいいことを言うと自分のことを言っていると認識し、人の悪口を言うと自分のことだと思ってしまうのです。人をほめる人は嫌われないですが、人をけなす人は嫌われるのです。


  さらに、『脳』は「否定型を認識できません」。例えば、失敗しないようにしようと思えば思うほど、失敗に向かってしまうのです。



  結局、自分にも相手にもプラスになる言葉を使うと『夢』を叶える力を使うためのスイッチがONになり、ONにしている人は、「どうすればできるか」をいつも考えているのです。逆に、OFFの人は「なぜできないんだろう。なぜだめなんだろう」といつも考えているのです。



  カーレーサーは事故で死なないために、車がスリップして回転したときにコースの方に自分の顔を向けるのだそうです。そうすると車は顔を向けた方に向かって行くのだそうです。人生も同じで、なりたい方に顔を向け、スイッチをONにしているとその方向へ進んでいくのです。




  石川さんのお話は私たちに『夢』を与えてくれました。『やればできる』のです。あきらめたときに戦いは終わってしまいます。『夢』を追い続けてください。絶対叶いますよ。




  済美高校の応援歌に戻りますが、タイトルが『光になろう』です。何かいいですね。また、「ここにいるから出会えたね」っていう一節もあります。そう、ここにいるから出会えたんです。だからこそ出会えたなかまを大切にしなくてはいけないのです。
 学年が始まって8ヶ月。ここにいるからみんなに出会えたのです。この出会いを大切にしたいです。




















期末テストが始まりました。
がんばってますか。
勉強はうまくいってますか。
点とれそうですか。



やれること、やらなければいけないことを精一杯やってくださいね。
やることやらないで出来なかったはないですよ。
やれること、やらなければいけないことに全力をつくして下さい。



合間に、筋トレ・ストレッチですよ。
忘れないように。

期末テスト前で練習はOFFです。


テストに向けて勉強がんばっていますか。
点を採るための努力と工夫が大切です。



テストもバスケットも点を採らないと負けです。
真剣に取り組んで下さい。



同時に身体のメンテナンスとコンディショニングをしっかり行って下さい。
筋トレとストレッチは欠かさないことです。



テスト明けから年始に向け、ゲームが続きます。
ベストのコンディションで望みたいものです。
今回のOFFを上手く利用してください。













問題点も心技体にわたって考える





 より良い選手になるためには、漠然と良いところばかり見ていても進歩しないのは事実です。悪い点についてもしっかり把握する必要があります。




 ただ前章でも述べましたが、ほとんどの場合、まず現状を把握し合おうというと「ミーティングという名の反省会」から始まります。反省会はスポーツの世界でよく行われているものですが、実際にはあまり役に立っていない場合が少なくありません。典型的なのは試合が終わった後に行われる反省会です。スタッフだけならまだしもOBなどまで多くの諸先輩のありがたいお言葉(?)をいただくわけですが、ほとんどの選手は「はい」と下を向きながら返事をしています。この「はい」は下手をすると「早くやめてくれ」のメッセージだったりします。うまくいかなかった試合直後に悪いところをいくら言っても、あまり頭に入らないことが実は多いのです。悪かったことは冷静になったときに後からゆっくり分析したほうが効果があるのです。




 では、実際にどのようにするのかといえば、まず、自分の問題点、足りないところを可能な限り書き出すのです。つまり自分の現在の×(悪い)部分です。このとき大切なことは心技体にわたって均等に考えることです。勝つためにはこの三つが必要なのですから、問題点を考える時点からこの三つに意識を配る習慣をつける必要があります。また、なるべく客観的に自分の問題点を考え、列挙する必要があります。見て見ぬふりでは決して上達しません。花道のようにビデオを見て己の真の姿を知るというのもその一つです(第22巻130~131㌻)。
















なかまの良いところは必ず褒める




 良いところを見る能力は、他人を褒める能力にも通じるものがあります。ただ、おだてるのではなく、本当に褒めるには良いところを見る能力が必要なのです。悪いところを矯正するよりも、良いところを伸ばすほうが同じ努力でも楽しいでしょうし、当然選手も積極的に取り組むこともできるでしょう。従って、(この本でも何度も述べてきましたが)その課程で行う努力から生じるセルフイメージも自然と大きくなります。そして、そこから生じる結果も、よりよいものにつながっていくのです。




 スポーツ心理学の用語に“褒め言葉サンドイッチ”というのがあります。選手の教育には、的確に褒め、叱り、そして再度褒めて、やる気を出させるというものです。




 湘北高校バスケットボール部に入部した花道のやる気を出させるために、湘北高校名物のアメとムチが与えられます。(第3巻83㌻)ゴリの厳しい叱り言葉を受ける一方で、メガネ君の的確な褒め言葉を受け、花道はさらにエネルギーを燃やしていくのです。




 褒めてあげるべきことを的確なタイミングで褒めるのは難しいことですが、とても大切なことです。「褒めると選手がつけあがる」ということをよく現場の指導者の方がおっしゃいますが、それはただ闇雲におだてるからなのであって、本当に褒めるのとは、また別なのではないでしょうか。




 スポーツ心理学的にも褒めることはさらに意味があります。叱られて出るやる気は継続的時間が短く、的確に褒められたときのやる気は継続しやすいと言われているのです。指導者もこのことを知ってか知らずか、常に叱り続けているコーチもいますが・・・・。




 “褒め言葉サンドイッチ”の手法を利用し、選手個人個人のやる気を引き出すのは大変ではあると思います。どんな状況でもわずかな良いところを見逃さないという能力が必要だからです。




 また、良いことは記憶に残りにくいので、すぐに褒めることが重要だともされています。素晴らしいドライブを仮にしたとしても、最後のイージーシュートを落としてしまったとします。ここで「なんで落としたんだ」と叱ることは簡単ですが、落としたことを一番悔しがって忘れられないのは選手本人でしょう。むしろ、その状況でドライブできた判断、その勇気、技術をすぐ褒め、確実に記憶に残すことが大切です。失敗するたびに叱られていると、セルフイメージは縮小し、同じチャンスが訪れたときに再びミスにつながってしまう可能性があるのです。良いところを見る、そして褒めるということはセルフイメージの点からも大きな意味があるのです。




 私がチームドクターとして関わっているチームでは、練習前にその日の褒められ役を決め、練習後に全員でその選手のその日に良かったことだけを述べ合うというようなことをしています。




 ひとり一人に良いところを見る能力をつけさせるのと同時に、本人も自分の良いところを少しでも出そうという練習意欲の向上を期待してのものです。




 いま一度、良いところを見る、的確に褒めるという能力についても、考えるきっかけとなっていただけたら幸いです。次章では褒めてばかりもいられないので、正しい反省の方法について述べることにします。






自分たちの長所を見つける能力が大事




 セルフイメージを大きくするための心の習慣として、自分の現在位置を正しく知るということがあります。目標を設定し、するべき事を正しく決めるために、自分の置かれた現在位置を知らなければなりません。




 ところが、スポーツにおいて自分や自分たちの現在位置を確認しようとすると、まずは反省会から始まり、悪いところばかりチェックしてしまいがちです。しかし、最も知らなくてはいけないのは、本来なら自分やチームの良い部分なのです。反省会をして、自分やチームの問題点や足りないところを山のように背負い込んで試合をしている選手たちがたくさんいますが、試合は足りない部分の自慢大会ではありません。試合というのは自分や自分たちの良いところで勝負するものなのです。自分やチームの良いところが分かっていなくて、どうやって勝負しようというのでしょうか?




 あなたは自分やチームメイトの良いところをしっかり認識していますか? 


 しかも、良いところを見るときもやはり心・技・体について均等に考えなければなりません。

 精神的に良いところは何なのか? 

 技術的に得意なことは何なのか?

 そして体力や身体で自慢となることは何なのか? 


 を常に考えていく習慣が大切です。




 ただし、現在位置は常に変わっていきます。従って「良いところを一度確認して終わり」では困ります。月に一度くらいはこの作業をすることが大切です。




 さらに、良いところを見るという能力自体もつけなければなりません。なぜなら、自分たちの良いところを相手が出させないようにしてくるのが試合というものなのです。そんな中でも常に自分たちの良いところを見つける能力は、とても大切になってくるのです。仮に前半をうまく戦えたとしても、ハーフタイムにその中で良かったことは何なのかを見いだすようにするのです。そのためには常にこの能力を養う心の習慣が必要となってきます。





 シカゴ・ブルズを6度のNBA王座に導いたコーチのフィル・ジャクソンはこの能力の重要性を強調しています。自分自身を「ゴミための中でも一輪のバラの花の香りをかぎわける能力がある」と言っています。皆さんの中にも常に悪いところや足りないところばかりを見てしまい、伸び悩んでいる選手が大勢いるのではないでしょうか。










今日のゲーム。
後味の悪い終わり方だった。
高校生を相手に簡単に勝てるわけなんかない。
まして2年生が2人しかいないんだ。
経験もスタミナもスキルも何もかもまだまだだ。
だからこそ毎週ゲームをし、経験を重ねているんだ。
失敗の方が多い。
シュートが決まらず、走り出しが遅く、スピードもない。
ないないづくしだ。
だからこそ毎日努力をし、経験を積んでいるんだ。

しんどいとき、だめだったとき、悔しかったときこそ、前を見据えて頑張らなくちゃだめなんだ。
後ろ向きの姿勢を見せたら、チームは終わってしまう。
成長なんてしない。


バスケットが好きだと言うことが一番の素質だ。
好きだからこそ、しんどいときに頑張れるのだ。
頑張れないとしたら、本当はバスケットが好きではないんだ。
好きだというフリをしているだけなんだ。
自分の心に問うことから始めるべきだ。







日頃の言動があなたのセルフイメージを決定する




 セルフイメージと日常生活との関係はこの本の大切なメッセージと言えます。前章で紹介した「今するべきことをする」も大切ですが、自分に返ってくるセルフイメージを縮小させてしまうような言動を日頃からいかにコントロールし、他人に接しているのかということが、勝利を目指すスポーツマンには必要なのです。



 このような視点から世界の一流選手たちを見てください。きっとこのセルフイメージの原則を守って行動している選手が多いことに気付くでしょう。



 マイケル・ジョーダンが世界中で尊敬されるのは、ただダンクシュートがすばらしいから、試合平均で30得点の叩き出すから、逆転の3ポイントシュートを何度も成功させるからなどの理由だけではありません。そのような結果に結びつけるために、彼の日頃のすべての言動が、セルフイメージを大きくするためにあるからなのです。



 他人に対してのマイナスな言動が自分に返るのであれば、自分にしてほしいことを周囲にすれば、それもまた自分に返ってきます(決しておべっかを使ったりゴマをする意味ではありません)。


 自分が頑張って辛いときに励ましてほしければ、まずは頑張っている人を励ますのです。自分がいいプレーをして褒めてほしければ、まずはいいプレーをした人を褒めるのです。マイナス面だけでなくプラス面もまた、鏡のように必ずや自分に返ってくることでしょう。




 このような一つひとつの日頃の言動があなた自身のセルフイメージを決定し、本番での実力発揮に大いに影響してくるのです。



 あなたの言動はセルフイメージを大きくするようなものですか? それとも自ら首を絞めているような言動ですか?




 今一度考えてみてください。一流のスポーツマン、バスケットボール選手を目指すのなら。






セルフイメージは“鏡の法則”がある



 もう一つやっかいな特徴とは、セルフイメージには“ミラー(鏡)の法則”が存在し、それが当てはまるということです。言い換えれば、鏡のような特徴があるということです。



 他人の周囲の環境に対しては文句を言ったり、愚痴ったり、悪口を言ってしまうと、セルフイメージには自分と他人の区別ができず鏡のように自分に跳ね返ってくるという法則があるので、他人に対して向けられたマイナスの事柄によって、自身のセルフイメージも縮小させてしまうのです。



 自分自身には決して言わない、あるいは行動しないような内容の言動を他人にぶつけるというようなことは、一流の勝利者にはまったくありません。彼らはそれらの言動が自らの首を絞めるということを知っており、ひいてはその言動によりセルフイメージが縮小し、自分の力が発揮されなくなるということを学んでいるからです。




 インターハイの初戦、大阪代表の豊玉高校と戦う湘北高校は前半、豊玉の主将である南選手にエースの流川が故意とも思えるプレーでケガさせられてしまいます。しかし流川はその負傷にもめげず懸命にプレーし、チームを勝利に導こうとします。南選手は流川に何か言い返されたわけでもないのに、調子を崩しシュートを外し始めます。相手に危害を加えて自分の利益を得ようとする行動は、まさに鏡となって返ってきたのです。これこそ南選手のセルフイメージが限りなく縮小してしまった証拠です。大阪の府予選では得点王となった実力、すなわち下意識は十分に大きいはずです。その南選手がすっかりシュートが入らなくなるのは彼自身の行動によりセルフイメージが縮小してしまっていることを意味しています。そう、自分の他人に対するマイナスの行動が結局は自分自身に返ってくるという典型的なシーンです。(第24巻102㌻)




 読者の皆さんは「自分はこんなひどいプレーはしないぞ。だから自分には関係ない」と思わないでください。セルフイメージは、これまで何度も述べてきましたが、日常生活から構築され、培われていくものなのです。



 ですからここで考えてほしいのは、コート上だけでなく日頃の自分の生活におけるすべての言動です。日頃から自分のセルフイメージを縮小させてしまうような言動(文句を言ったり、愚痴ったり、悪口を言ってしまう)を他人やあなたの周囲の環境に対して行っていないでしょうか? そのような言動の1つひとつがあなたに鏡のように返ってくることを忘れないでください。














“今に生きる”ことに全力を尽くせ



 日頃の環境に左右されやすいセルフイメージですが、同時に、“時間の区別が゜できない”という大きな特徴があります。スポーツは一瞬一瞬の下意識とセルフイメージのバランスで結果が決まってきます。下意識(練習で培った選手の実力)はそう簡単に縮小することはないのですが、セルフイメージがその瞬間に縮小されてしまうとその実力が発揮されないことになります。



 セルフイメージというのは、我々の意識が今でなく過去や未来に飛んでいるとその影響を簡単に受けてしまうのです。そう、スポーツマンの大半は自分がプレーしているとき、過去や未来のことを考えているのです。

 例えば「さっきのシュートをはずさなければ・・・・」とか「ああしておけばよかった」などの過去に対する後悔に時間を注いでいる場合が多いのです。そうするとセルフイメージは過去と現在の区別ができなくなり、そのようなネガティブな過去への意識が現在のセルフイメージを縮小させ、どんなに実力があってもそのとき(今)のシュートを外してしまうことにつながるのです。それと同時に、我々はその思考の大半を、未来への不安にも割いています。「このシュートは入るだろうか」「この試合は勝てるのだろうか」「体力がもつのだろうか」などと考えながらプレーしているのです。



 おそらく読者の方々にも思い当たることがあるでしょう。このようにセルフイメージは現在と未来の区別ができませんので、縮小してしまう特徴があります。つまり実力が出なくなるというわけです。



 ではどうすればセルフイメージを大きく保ち、実力を発揮できるのでしょうか? 


 それは常に“今に生きる”という意識を持つことです。外したシュート(過去への後悔)や今後の展開(未来への不安)を気にするのではなく、いつも“今”するべき事をする(第5章参照)という心の習慣を築きあげることこそが勝利への意識につながるのです。そのためには、繰り返しになりますが、日頃からこの習慣をつけていかなくてはなりません。




 山王工業戦、選手生命を左右しかねないほど背中を痛めた花道は“今”こそがすべてだと宣言してコートに戻ります。(第31巻20~21㌻)が、これこそが“今に生きる”ということです。常にこの考えと行動が大切です。


 あのタイガー・ウッズのコーチも「すべてのスポーツ選手にとって最も大切なことの一つは常に一瞬一瞬“今”に集中することである」と強く述べています。一瞬一瞬の積み重ねがあなたの望む結果につながるということです。




 あなたも自分の実力を発揮したいのであれば、この生き方、考え方が大切だということをいま一度認識してみてください
。 












セルフイメージは日常生活に左右される






  この本では、心の習慣という視点でとらえた「日頃から必要な意識の持ち方」を読者の皆さんに紹介させていただいています。競技の結果を大きく左右するセルフイメージ(第1章参照)を発展させる日頃の考え方と、逆に縮小してしまう考え方を整理し、学び、意識付けしていっていただきたいと考えているからです。



 セルフイメージを大きくするための意識については、これまでいくつか学んできました。正しい目標を持つ、変化を重要視する、するべき事をするなどです。この章ではそのセルフイメージについて、より深く考えていきたいと思います。



  さて、セルフイメージはどのようにしてできあがっていくのでしょうか? このセルフイメージは練習の中ではなく、むしろ環境と日常生活の中で構築されるのです。



 つまり、あなた自身がどのような環境で育ってきたのか、今どのような環境で生きているのか、そしてどのような日常生活を送っているのかということで決まってくるということです。



 一般に我々を取り囲む環境を、スポーツ心理学者の先生方は“90%の人がネガティブで、ポジティブな人はわずか10%の人だけ”と評価しています。これは我々が会話することや見聞きすることのほとんどがセルフイメージを縮小してしまうようなマイナスの話題であるという表れで、アスリートにも当てはまります。特にスポーツ選手にとって最もセルフイメージを縮小させられてしまうマイナスの要因の1つはメディアです。



  メディアによって根も葉もないことやマイナス面を書き立てられ、セルフイメージが縮小され、力が発揮できなくなるのです。私はそれによって敗れ去っていった選手を何人も知っていますので、我々の周りの環境の90%がネガティブだという心理学者の主張は私自身もうなずけることがたくさんあります。
 


  例えば、バスケットボールで高校時代にはインターハイレベルで活躍した女の子が卒業後は自分の運動神経を信じてプロゴルファーになりたいと打ち明けたとします。そのようなとき、おそらく10人中9人は反対することでしょう。何の根拠もないのに、とりあえずは反対するはずです。反対するのがいけないといっているのではありません。そのような環境に生きている我々は自然にセルフイメージに制御をかけてしまうような心の習慣ができあがっているということが言いたいのです。だからこそ、読者の方々にはよりより環境を作ることと同時に、環境に左右されず自分の意識でセルフイメージを構築できるようになっていただきたいと思うのです。



  10%のポジティブといわれる人の心の習慣がつけば、セルフイメージと下意識のバランスが取れて、あなたにふさわしい結果がついてくるようになるでしょう。



  あなたは10パーセントのポジティブのグループですか? それとも残り90%のネガティブグループに属していますか?















常に“するべき事”を意識する



 “するべき事”をするということを考えるとき、あなたの目標に沿った形でチェックしてもらいたい項目について説明します。


①目標達成のための、あなたの“するべき事”は正しいものなのか。

②“するべき事”があなた自身、そしてチームでも分かっているのか?

③“するべき事”をしっかりやっているか?

④“するべき事”をするということをしっかり意識しているか?


 以上の4点をチェックしながら“するべき事”に関して考えていただきたいのですか、この4点のチェック項目についてもう少し解説してみたいと思います。



①は、どんなに頑張っても、“するべき事”が正しいものでなければ、目標達成のために“変化”できない、逆に無駄にエネルギーばかりを費やしてしまうということです。
残り2秒でのあなたの“するべき事”はいつも通りシュートすることであって、外すことをイメージすることではないのです。そのような場面で正しく“するべき事”が考えられるようになるには、日頃から自分の“するべき事”は間違えていないのか? を自問自答する習慣をつけることが重要です。


②については、チームの勝利(目標)のためにあなたが“するべき事”を理解していなければならないということです。
私がチームドクターをしているチームでは、チームとして、個人として“するべき事”の確認を、たびたび全員でします。そのたびに再確認し、理解度をより深めていくのです。


 また、正しい“するべき事”が提示され、よく理解していても、そのことを実行しなければ目標は実現しません。これが③の項目ですが、理解していなければ実現できないのと同じように、理解していてもやらなければ、結局、同じ結果になってしまいます。
“するべき事”をきっちりしないで、結果を嘆いている選手がなんと多いことでしょうか。目標が高ければ高いほど当然“するべき事”も大変なことが多いはずです。しかし、目標を決めたのはあなた自身であり、仮にそうでないにしても、そのことを理解して、その船に乗ると決めているのはあなた自身のはずなのですから(第3章参照)、それに沿った“するべき事”をするのは当たり前なのではないでしょうか? 
それに対して文句を言ったり、愚痴をこぼしているのはおかしいことです。それでは目標なんて達成できるわけがありませんし、まったく“変化”もしていきません。


 そして、最後に最も大切なことは、“するべき事”をするということを、きちんと意識しているかということです。目標や結果をただ追うのではなく“変化”を大切にするという意識を持つと同時に、そのために“するべき事”をするのだということをはっきりと意識しなければならないのです。この意識するということこそが、この本を通して皆さんに訴えたいことの一つでもあります。


 ただし、これは普段から実行していなければ、試合の緊迫した場面で“するべき事”をするということに集中などできるはずがありません。常にそのような意識を、バスケットボールを離れても、日常の生活の中で実践していなければなりません。このことを“心の習慣”と呼んでいますが、それを身につけてこそ、大切な場面であなたが望む目標を達成するという結果が、初めてやってくるはずです。




 インターハイ神奈川県予選の決勝リーグ第一戦、海南大附属と戦う湘北高校は前半、主将の赤木(ゴリ)の負傷退場で大ピンチに。ここで、ゴリの代わりにゴール下を任されることになった桜木花道は「オレに今できることをやるよ!!」(第13巻75㌻)と決めてゴリの穴を埋める活躍を見せるのです。
 花道の場合、“するべき事”は3ポイントシュートでもドライブインでもなく、リバウンドであるということを理解し、そしてそれを実行することなのです。これをきっかけとして流川も自分の“するべき事”を一つひとつ行ない、そのことだけに集中していった結果、一時15点開いていたリードをつめ、前半を海南大附属相手に同点で終えるという“結果”がついてきたのです。



 皆さんも今一度“するべき事”をするということに意識を置いてみてはいかがでしょう?今までとは違った何かが見えてくるはずです。

1年生大会。

楽勝ペースのゲームがもつれた。
勝負は下駄を履くまで分からないとはよく言ったものだ。


決めるべきところできっちり決められる力。
チャンスを確実にものにできる力。
ピンチに冷静に判断し、対応できる力。


何もかもが足りないのは事実だ。


メンタルもフィジカルもスキルも、努力するしかない。

経験を積むしかない。


どこまでやりきれるか、どこまで自分に厳しくなれるか、期待している。








今日、県立橿原体育館で全国高校選抜優勝大会県予選決勝が行われる。
時間が許す人は観戦するのもいいと思う。
トスアップは11時です。












“目標”のために“するべき事”は?



  まずは第4章のおさらいをしましょう。

   “結果”を得るために、“変化”というものを重要視する大切さを紹介しました。本気で実行すれば、たとえ短期間であっても心技体それぞれにおいて“変化”するはずです。あなたはその“変化”を自身で認識できるでしょうか?



 “結果”というのは必ず“勝敗”という形になって表れてきます。しかし、一番大事なのは“結果”に一喜一憂するのではなく、そこから何を学び、どのように“変化”したのか? に気付くことなのです。

  
 一流の選手になればなるほど、この“変化”を認識する能力が備わっているものです。それは難しいパスやシュートができる能力とまったく同じか、それ以上のすばらしい能力です。続者の皆さんにはこの能力にも磨きをかけることで、さらによい“結果”をつかんでほしいと思います。
 



 さて、今回はその“変化”をするために、考えなければならない意識の持ち方について述べてみたいと思います。
 

 あなたが設定した目標を達成するには、目標をたてるだけでは不十分であることは、ここまで述べてきました。目標を設定したのならば、次に我々はその目標を達成するために“するべき事”をしなければならないということに意識を移さなければなりません。目標をただ追いかける(意識する)だけでは、よい“結果”につながりません。


 目標達成のためには“するべき事”をしなければならないのです。逆にいえば、それができなければあなたの望む“結果”は逃げていくものなのです。
 


 例えば、大切なゲームの残り2秒で1点差で負けている場面、あなたのフリースローだとします。目標はもちろんこの試合に勝つこと、つまりシュートを2本入れること、もしくは最低でも1本入れて同点にして延長に持ち込むことでしょう。このとき、この目標だけを追いかけてしまうと逆に「もし落としたら自分のせいで負ける」という発想になり、結局萎縮して、かえってシュートを外してしまうことになります。
 

 このような場面で目標を達成するためには“するべき事”をするという意識を持つことが重要なのです。すなわち、この場面での“するべき事”とは、いつも通りシュートを打つこと、そしてそのことのみに意識を集中していくことです。そのような姿勢で臨めば“結果”は後からついてくるものなのです。











エネルギーは心技体へと均等に



 では、実際に変化するためには、行動しなければなりません。


 行動とは練習することばかりが頭に浮かんでしまいますが、これだけは不十分です。勝つために必要なものは心技体です。ということはこの心技体の、すべての面で変化しなければなりません。ですから行動も同じです。あなたの「勝ちたい」「うまくなりたい」というエネルギーを技術だけでなく、身体や考え方にも均等に注ぐ必要があるのです。あなたは均等にエネルギーを注いでいますか? 考え方の変化はどうですか?



  桜木花道が入部した湘北高校はインターハイ出場を果たして一回戦を突破。二回戦では高校バスケット界で君臨する山王工業高校に挑戦することになりました。前半を36対34でリードして終わったものの、後半開始にあたって安西監督がみんなに言った言葉は




「技術も・・・気力も・・・体力も・・・、持てるものすべて・・・、すべてをこのコートにおいてこよう」




   というものでした(第26巻171㌻)。

  勝利を手に入れるには心も技も身体も必要ということの表れです。普段からいつもこの3つを意識してエネルギーを投入してください。



  技術はうまくなったけれども、考え方は変化(成長)していないというのでは勝てません。



  山王戦では苦労するものの、幾度となく流れを作り出し、接戦に持ち込む原動力に花道と流川がなり、会場にいる観客に感動を与えます。花道は得意のリバウンドだけではなく、ディフェンスでもチャージングをとるなどの活躍ぶり、流川はマッチアップの相手、沢北との“1on1”を通して自身の中での変化を見つけ、チームを動かすのです。その2人を見ながら神奈川県のナンバー1チームである海南大附属高校の1年生で2人のライバルでもある清田が次のように言ったのです。




  「どんどん変わっていきやがる!!」




 これこそ最大の賛辞であり、この変化こそ勝利につながることになるのです(第30巻31㌻)。




 みなさんも今一度、変化のため、自分の持つエネルギーを心・技・体に均等に注ぎ込んでみてはいかがですか? 

 

  そうすれば、今までと違った何かが見えてくるかもしれません。そして、その変化を大いに楽しむという考え方の習慣を身につけてみることをお薦めします。その気でチャレンジしたとき、あなたはどのくらいの変化をすることができるでしょうか? 私も楽しみです。













変化の集大成こそ結果を生む


  スポーツにとって大切なのは、結果と考えられています。しかし、結果を追い求めれば追い求めるほど、勝利という結果は逃げていってしまうという残念な法則があります。それではどうしたらよいのでしょうか?



  一流の選手になればなるほど、ただ「勝ちたい」「優勝したい」などの漠然とした結果だけを追い求めていくのではなく、勝利を手にするために必要な、それにふさわしい自らの変化をいつも求めているのです。

   従って変化を感じる能力、変化を楽しむ能力こそが、追い求める結果を手に入れるために必要となってくるということです。つまり変化の集大成が結果につながるということを、よく理解しなければなりません。


  たとえ勝てなかったとしても「優勝できなかった」と嘆くのではなく、優勝するためにふさわしい変化をしたのかどうかという点について振り返ってみてください。結果は勝とうが負けようが過ぎ去り、消えていっていまいますが、変化は残るのです。たとえ負けても、その試合でどう変化したのか、何を学んだのかということを大切にして戦ってください。



   シュートを外したという結果ではなく、そこに至るまでにすでにできている変化と、まだ変化しきれていない部分を見つめ直しましょう。そのような考え方を習慣にすることが大切です。



  イギリスの有名なスポーツ心理学者であるクリストファー・コノリとジョン・セイヤーはこの点を次のように説明しています。



 ☆我々が使う勝利や成功という言葉は、発見と同じ言葉なのである。競技においてさえ、競争に勝つ人が必ずしも「勝者」ではない。「敗者」のほうが多くを学ぶ場合もあるからだ。仮に私が登山者で初めて山頂を目指すとしたら、自分以外に競争相手がいないわけだから、間違いなく勝者になれるだろう。私たちにとって、勝利という言葉には格別の深い意味があって、相手を打ち負かすこととは関係ないのである。勝利とは自分自身について今まで以上のもの(変化)を発見して、自分の経験を通して勝つための、より完璧な行動パターンや考え方のパターンを見つけだすことである☆



  いかがでしょうか? 少しは理解していただけましたでしょうか? マイケル・ジョーダンが世界で一流のアスリートといわれ、尊敬され、実績も残しているのは、まさにこの考え方を実践しているからといえるでしょう。














目標達成に向けて断固たる決意を




  もちろん目的地は一つだとしても、その船での一人ひとりすべき仕事、役割、責任は違うでしょう。

   そこで全員が目指す目標とそれぞれの役割を理解し、それぞれが目標達成に向けての覚悟を決めることが何よりも大切となります。特に目標が大きくなればるほど、目標に対する理解とそれに向けての覚悟が重要になってきます。なぜなら目標設定をしたときから、その課程において乗り越えなければならない困難というものが、かならず付随してくるからです。だからこそ覚悟、言い換えれば断固たる決意が必要になってくるのです。



   安西先生はそのことを知っていて、山王工業戦の前夜にゴリをはじめ皆に確かめるのです(第25巻24㌻)。


   「全国制覇」という、遠く困難な行き先を決めただけに、それを目指す課程において、たとえ相手が王者・山王工業で想像以上の強さを見せつけられても、断固たる決意が、どうしても必要だったのです。




  私が尊敬するスポーツ心理学者にキース・ベルという方がいます。自らもトップスイマーで、おもに水泳の世界で心理学者として活躍されているドクターです。彼がおもに目標について述べた『Target on Goal』という英語の本の中に、ぜひ皆さんにご紹介したい部分を私が訳したので、それを紹介しましょう。



 我々は、目標がなくても生活することができます。しかし、目標は人生に骨組みを与え、我々の集中力も高めるのです。目標が高く、そしてしっかりしているほど、それに対する追求の値打ちも、より高まります。目標を追求するときの夢中さは、人々を心から人生に従事させ、より活発にさせ、気持ちよく目的に打ち込ませ、充実感を味わわせ、そして価値ある人生をもたらす、すべての糧を与えてくれるのです。

  しかし、あなたはやることをやったかのように見せかけて、手を抜いたことはありませんか? 成功に近道などありません。格好つけるだけではなく、何よりも目標に向かうことが大事なのです。見せかけはただ単に成功の幻覚を作り出すだけなのです。結局覚悟を決めてやるしかないのです。

  そう、目標を立てたのなら、断固たる決意の元、決して口先だけのものにしてはなりません。



  インターハイ初戦の豊玉戦で、得点源である流川を意図的にケガさせられたことで自制心を失い、目標達成のための“すべきこと”をしていない選手たちにハーフタイムに安西先生から檄(げき)が飛びます(第23巻182㌻)。


   目標設定するということは、同時に“すべきこと”をすることをも意味するのです。



 共通の理解ある目標を設定し、その達成のために“すべきこと”を断固たる決意を持ってすることを忘れてはなりません。そうでなければ、“口先だけの目標”になってしまうことでしょう。



  皆さんは、目標に対する理解と覚悟はどのくらいできているでしょうか? 考えてみてください。












新人戦敗退からなかなか立ち直れないで苦しんでいる。
無くした自信を取り戻すには時間が必要なのかもしれない。



でも、立ち止まってる時間なんてない。



前をみて、つぎのことを考えて努力しなければ何も生まれてなんてこない。




だれが先頭を走る。
だれがチームにカツを入れる。
だれが元気を出す。




立ち止まってなんかいられない。




















チームの目標は全員が共有すること


  チームで目標に向かって努力していくということは、どんなに多くの人がいようとも、達成されるべき目標は一つです。全員で頑張って一つの勝利、全員で努力して一つの結果が得られるものです。つまりチームの目標は、全員に共通したものであると同時に、一人ひとりのものになって初めて達成されるものだということを忘れてはいけません。


 前回、船に乗ってオールを漕ぐということを例にあげましたが、全員がそれぞれ貴重な一年という時間を費(つい)やしていくわけですから、まず自分の乗る船の行き先(目標)を理解する必要があります。この船でアメリカまで行くのか、アジアへ行くのか、それとも伊豆へ行くのか、はたまた行き先が決まっていないのか?


 例えばチーム一人ひとりの目標が理解されず、不一致のまま船出をするとしましょう。コーチやキャプテンがアメリカを目指している一方で、伊豆でいいと考えている他の部員がいれば、どうなることでしょうか?


 大海に出たときに嵐でもこようものなら、内部分裂するのは必至です。部員たちは「なんで、こんな思いまでして、アメリカまでいかなきゃならないんだ! 俺たちは伊豆の温泉でよかったんだ」となるのは当然です。


なぜなら、船出の瞬間から伊豆まででいいと考えている部員にとって、アメリカまで行く課程は、我慢ならない苦しみでしかないからです。逆に、伊豆まで行けばいいと思っている船にやる気十分の新入生が入ってくれば「なぜもっと遠くを目指さないんだ」ということになるでしょう。


 ですから、船出の際にしっかりと全員で話し合い、チーム全体で目指す目的地(目標)はいったいどこなのかということを、明確にし合うことが大切なのです。


















“不言実行”ではなく“有言実行”


 “根拠”に頼らない目標設定とイメージに加えて、もう一つ大切なことがあります。



 インターハイ2回戦、山王工業に立ち向かう花道は、公衆の面前で大きく負けているにもかかわらず、プレス席に立って「ヤマオー(本当はサンノウ)はオレが倒す!!」と宣言しています。(第27巻5㌻)ゴリやリョータが審判に謝る中で花道はチームメイトに「これで勝つしかなくなったぜ」とつぶやくのです。(第28巻11㌻)これが、いわゆる有言実行です。


  今までの日本では、不言実行が美徳とされてきました。しかし、これほどネガティブ・シンキング(消極的思考)な言葉はありません。私から見れば「もしうまくできなければ、恥ずかしいので言わないでおこう」「もしうまくいったらその時はじめて言ってみよう」という考え方に写ります。これが結果がすべてで、その過程や変化(理想の自画像に近づく状態)が注目されていない、それこそ勝つためにふさわしい考え方ではありません。


 花道のように宣言した上で、目標の実現化をはかるのです。言葉にすることで、目標に対する責任をとるという自覚が生まれてきますが、なによりも大切なのは、実現のために努力し、行動するということにつながる点です。たとえそれが実現できなくても決して恥ずかしいことではありません。そのために努力し、行動し、変化したのなら、堂々と胸を張っていればよいのです。むしろ目標を持っていなかったり、そのための努力をしなかったり、結果ばかり重視して、実際には何も変化していないほうが、よっぽど恥ずかしいことなのです。 



 さあ、ゴリのように自分自身、自分たちのチームの目標を持ちましょう。そして、花道のように有言実行にトライしてみましょう。二度と来ない今を、バスケットボールに費やすのなら。















「こうなりたい」という目標を持ち続ける





 あなたはしっかりとした目標設定をしていますか? 


勝つチームと負けるチームの差は、そのチームにふさわしい、ハッキリとした目標を持っているか否かの差であると言われます。たとえ負けの込んでいるチームでも、初めから負ける目標を立てて、試合に臨んでいるわけではありません。目的地が決まっていなければ、どんなに頑張ってオールを漕いでも、船はどこにも着きません。しかし実際にはオールを漕ぐこと、プレーしたことからくる肉体的疲労を感じるだけで何かを達成した気になり、それで満足したしまうという選手やチームが、実に多いのです。


  では、目標を設定する上での、いくつかの原則について述べてみたいと思います。


 まず、目標はただ与えられるものではなく、自分やチーム全員で目指す「こうなりたい」というもの、言い換えれば理想の自画像のようなものを、ポジティブな(積極的な)姿勢で持つことでしょう。例えば「40分間、早いトラディションを展開できるチームにしたい」とか「得点力がない分、執拗なディフェンスで相手に嫌がられるチームになりたい」という、主体性のあるものです。


 普通、目標を立てるというと、自分たちが「こうなりたい」ということよりも、先に“根拠(ここでは過去の数字的な実績や現在のおかれている環境と状況)”を探して「昨年はベスト8だから今年はベスト4」「来年はいい新人が入るから、優勝を狙う」という形で目標を決めてしまいがちです。もちろん、“根拠”を元に設定するのが一概に悪いというわけではありませんが、これは消極的な設定といえます。


 しかし実は「こうなりたい」という目標を持ち続けていた方が、すぐにその目標を達成できるかどうかは別として、必ずそれを実現するための“根拠”が後からついてくるものなのです。“根拠”のある目標を先に設定してしまうよりも、あなたが目指す理想像を目標として立てることが大切なのです。



 湘北のキャプテン赤木は今年の目標を「全国制覇」とみんなの前で明言しています。(第1巻173㌻)。彼は湘北高校に入学したときから、まったく、“根拠”がない(同じ目標を共有したり、それを成し遂げるだけの実力のあるチームメイトがいなかった)にもかかわらず「全国制覇」と叫び続けていました。彼の考え方や行動は常にこのためにあり続け、決してあきらめることはありませんでした。すると不思議なことに3年になるとスーパールーキーの流川が入り、中学時代MVPをとったこともある三井やリョータが戻り、そして花道までもが加わり、“根拠”が後からついてきて、目標が現実のものとして見えるようになってきたのです。


 あなたは自分の目標を「人にこういわれたから」「根拠や常識から見て、この程度だ」という消極的な姿勢で立てていませんか? 積極的な姿勢なしに目標の実現はないのです。


 もちろん、ただ単に目標を立てるだけでは実現しません。それと同時に、目標を達成したときの素晴らしさをイメージすることも必要になってきます。


 「常勝」と呼ばれるチームが毎年勝つことができるのは「いい選手がいる」「昨年優勝した」「またいい選手が入ってくる」などの“根拠”があるからではありません。「その目標を達成したら、どんなに素晴らしいのか」を知っているからで、だからこそ再びその実現に向けての“根拠”を作るよう、精一杯努力するのだと言われてます。 


つまり“根拠”がなくても、しっかりとした目標設定と、目標を達成したときのイメージが、湘北のゴリ(赤木)のように強くできていれば、実現性はさらに高まることになるのです。















だだ練習するだけでは勝利できない



  モントリオール五輪(1976年)射撃・金メダリストのラニー・バッシャムという人が「勝つためにはただ練習するのでは勝てない。そのためには正しい考え方を身につけていかなければならない」というメンタル・マネージ理論を世の中に出しました。これはどのスポーツにおいても共通するものであり、興味深いものです。私は心理学者ではありませんが、このバッシャムの勝つための正しい考え方を、私の視点から紹介していこうと思います。


バッシャムはこのメンタル・マネージメント理論の中で、スポーツで勝つために必要な要素として“意識”“下意識”“セルフイメージ”の3つのバランスをあげています。


 この場合、“意識”は物事を初めて学習していくときのスタート地点として考えてください。花道がランニング・レイアップシュートをマスターするために“置いてくる”と唱えて練習しているときのレベルのことを指します。もう一つ例をあげると、初心者がランニングシュートをマスターするために、頭の中で「一歩、二歩」と数えてステップしている状態も、あてはまります。“意識”は後に説明する“下意識”“セルフイメージ”にも大きく関係してきますが、すべてのスポーツ選手にとって、上達はこの“意識”“考え方”から始まるのです。


 次に“下意識”ですが、これはスポーツ選手をはじめ、我々の持っている“実力”“自分らしさ”のことを指します。“意識”のレベルを超えて行なえる行動の基盤ともいえます。


 ステップを気にしながら練習する例をあげましたが、“下意識”のレベルになると「一歩、二歩」と頭の中で思い浮かべなくても自然にランニングシュートを行なえる状態となります。マイケル・ジョーダンは他人が真似できないようなプレーを次々と見せてくれますが、これは意図的にそのようなプレーをしているというより、彼の“下意識”のレベルで行なう彼らしさといえるでしょう。一流選手ほどこの部分が大きく、なぜ練習するのかといえば、この部分を大きくするためと答えるでしょう。そしてその大きさは練習の量と質で決まっています。人生でいえば練習は経験と同意語。そこで量ばかりが実力をアップさせるのではなく、質を決定する考え方、すなわち根性の使い方こそが大切なのです。この考え方をぜひこの『スラムダンク勝利学』で学んでいただきたいと思います。


 一方、この“下意識”(実力)が本番や試合で発揮されるかどうかは、もう一つ我々の中に存在する“セルフイメージ”という能力の大きさによって決まるのだとされています。どんなに実力があっても、本番に弱い選手はこれが小さいということになります。また、試合中に感情的になったり、おかれている状況に不安を感じたりすると、それらの考え方次第で小さくなったりします。


 この“セルフイメージ”は、日常生活における考え方や行動の仕方によって決められているということを、バッシャムは強調しています。一流の選手になればなるほど、この“セルフイメージ”を大きくするための考え方が練習だけではなく、日頃から習慣づいているのです。“セルフイメージ”を大きくしていくための考え方をマスターし、正しく根性を使うためのヒントを、さらに『スラムダンク』を通してこの本で学んでいきたいと思います。











 “スラムダンク”というアニメを知っていると思います。今まで興味がなかったのですが、DVDを借りてきて見てみました。なぜ見てみようと思ったかと言うと、辻秀一著『スラムダンク勝利学』という本に出会ったからです。

 “スラムダンク”の中には、バスケットボールプレーヤーにとどまらず、全てのスポーツ関係者が学ばなければならない貴重な考え方が、何気なくかつ多く表現されており、その内容を紹介したこの本に感動したからです。

 以下、この本に紹介されている「勝利するための考え方」、「学ぶべき考え方」を紹介していきます。









正しい考え方が勝利を生む


 桜木花道は、背の高さと一見スポーツマンのような体格が同級生のかわいい女の子・赤木晴子の目に止まり、バスケットボール部に誘われます。花道はこの彼女に一目惚れをしてバスケットボール部に入るのですが、その後、多くの人の運命を変えることになります。

 今回ピックアップした場面は、晴子の兄で部の主将である赤木剛憲が、まだ未知の存在・花道には根性があるのかを、晴子に尋ねるシーンです(第1巻109㌻)。そう、どうせ使うのなら、その根性を正しく使いたくはありませんか? 勝つための正しい考え方とは、そのことを指しています。


 では、なぜ正しい考え方が勝利を生むのでしょうか? 一生懸命に練習するだけではダメなのでしょうか?

  バスケットボールはハビット(習慣性)・スポーツといわれる代表的な競技です。習慣化するほど練習したことが、やっと試合で発揮できるのです。一本の3ポイントを成功させるために、年間何万本も打ち込むのです。つまり、技術的な良い習慣を身につけ、悪いくせを改善するために皆、日夜練習しているのです。


 しかし、勝利をつかむためには技術同様に、考え方も習慣化していなければダメだとは思いませんか。例えば、“全力をつくす”ということが必要だとすれば、日頃からその考え方を習慣化しなければ、試合で実践できるはずがありません。試合前に「全力でぶつかろう」と言ったところで、それは普段やっていないことをしようと言っているようなものです。日頃3ポイントの練習などしたこともない選手が、試合の前に「今日は3ポイントをバシバシ決めるぜ」と言っているのも同様だと、私は思います。


 皆さんはいかがでしょうか?














このページのトップヘ